Apartment

 留学であろうと仕事であろうと、インドに住み始めて最初に直面する共通の難関は、滞在中ずっとホテル暮らしという贅沢かつ味気ない選択肢を選ばない限り、間違いなく家探しである。日本とは勝手が違いすぎるため、あらゆる段階で苦労す...

City of Gold

 現在インドの商都として知られるムンバイー(旧名ボンベイ)であるが、ムンバイーの発展を100年以上の長期間に渡って支えて来たのが繊維産業であった。19世紀後半よりムンバイーには繊維工場が相次いで建設され、多くの労働者が工...

Phoonk 2

 ラーム・ゴーパール・ヴァルマー監督は、ヒンディー語映画界においてホラー映画というジャンルの草分け的存在であると同時に、コンスタントに様々な形のホラー映画を作り続けて来ており、このジャンルの発展にも寄与している。だが、彼...

Paathshaala

 青春時代は人生の中でもっとも美しい時期であり、その大きな舞台となるのは学校である。学校は誰もが思い入れのある場であり、それ故に物語の舞台として活用しやすい。ヒンディー語映画界でも一部または全体で学校を舞台とした印象的な...

The Japanese Wife

 インド人作家クナール・バスの短編小説に「The Japanese Wife」(2008年)がある。この小説を著名な女流映画監督アパルナー・セーンが映画化することになった。2008年の時点で既に映画はほぼ完成しており、年...

Jaane Kahan Se Aayi Hai

 21世紀に入り、ヒンディー語映画界は様々なジャンルの映画に挑戦するようになった。その内の多くはハリウッドが伝統的に得意とするジャンルであり、ハリウッドと同じ土俵に立つことで逆にヒンディー語映画の弱点が露呈されることも少...

Prince

 2001年にインドに住み始めて以来ヒンディー語映画をずっと見て来ているが、その初期の頃にデビューして今までずっと業界に残っている俳優たちは、自分のインドでの映画人生とどこか感情的にシンクロしており、心の底で密かに応援し...

Pankh

 2010年4月2日公開の「Pankh(羽)」は、過去に男の子ながら女の子の役を演じ、一躍有名になった子役俳優が成長した後に抱える葛藤を描いたサイコスリラー映画である。

Tum Milo Toh Sahi

 最近は週に公開される映画が多すぎて付いて行けない。この時期公開される映画は駄作や訳あり作品が多いので、全てを観る必要もない。どうしても映画が観たかったら、監督やキャストなどを見て慎重に選び、時間に余裕があれば観に行けば...

Sadiyaan

 現在、インディアン・プレミアリーグ(IPL)開催中のため、2010年4月2日も中小規模の映画が大量に公開されている。その中では俳優陣が豪華な「Sadiyaan」を観ることにした。監督は「Andaaz」(2003年)や「...

Ashok Chakra: Tribute to Real Heroes

 2010年3月28日公開の「Ashok Chakra: Tribute to Real Heroes」は、2008年11月26日に発生したムンバイー同時多発テロ事件、いわゆる26/11事件を扱った映画である。事件から1...

Well Done Abba

 インド映画界において、シャーム・ベーネーガルは一目置かれた映画監督である。デビュー作「Ankur」(1973年)以降、メインストリームの娯楽映画と一線を画した芸術路線の映画を作り続け、インドのニューウェーブシネマの旗手...