NH10

 ヒンディー語映画界で近年特に顕著なトレンドは、女優中心映画のヒットである。インドの映画業界は伝統的に男性中心主義であり、撮影現場には女優以外女性がいないという時代が長く続いた。映画の花形であるはずのヒロイン女優にしても...

Dirty Politics

 2000年に「Bawandar」という映画があった。1992年のバンワリー・デーヴィー事件に基づいた、インドの女性問題などを扱った社会派映画であった。2012年のデリー集団強姦事件は、女性問題をはじめとしたインドの社会...

India’s Daughter (UK)

 2012年12月16日の夜、23歳の女子医学生が6人の男性に集団強姦されるという事件が起きた。一般的に「デリー集団強姦事件」と呼ばれているが、当初被害者の名前は公表されておらず、メディアが彼女を「ニルバヤー(恐れ知らず...

Ab Tak Chhappan 2

 「Ab Tak Chhappan」(2004年)は、ラーム・ゴーパール・ヴァルマーがプロデュースした、ムンバイー警察のエンカウンター・スペシャリストを主人公にしたハードボイルドなクライムサスペンス映画だった。評論家から...

Dum Laga Ke Haisha

 21世紀も既に2つめの10年間に入り、いつの間にか90年代が遠く感じるようになった。90年代が遠くなったことで、90年代という時代自体が映画の舞台装置に使われるようになった。例えば「Om Shanti Om」(2007...

Qissa (Punjabi)

 男系社会では家系の存続のために女児よりも男児の方が喜ばれる傾向が強く、特にインドではそれが今でも顕著である。また、インド特有の問題として、婚姻時に花嫁の家族が花婿の家族に多額の持参金を渡す必要がある。単純に言えば、男児...

Badlapur

 ヒンディー語に「バドラー(बदला)」という単語がある。大修館の「ヒンディー語=日本語辞典」によると、この単語には7つの意味がある:①変えること ②交換 ③賠償 ④返し ⑤報復 ⑥報い ⑦返礼。「~の見返りに」という意...

Roy

 インドの映画業界は基本的にファミリー・ビジネスで成り立っており、家族親戚に映画関係者がいない人物がいきなり俳優業や監督業をして成功するのは難しい世界だ。しかし、近年時々ポッと出の新人監督が現れるようになっており、業界内...

Shamitabh

 Rバールキー監督はアミターブ・バッチャンの大ファンのようで、彼のこれまでの作品には必ずアミターブが出演している。「Cheeni Kum」(2007年)と「Paa」(2009年)である。しかも、どちらの作品でも彼は変則的...

Khamoshiyan

 2015年1月30日公開の「Khamoshiyan(沈黙)」は、B級映画の雄、マヘーシュ・バット、ムケーシュ・バット、ヴィクラム・バットの一族によって作られたホラー映画である。

Hawaizaada

 世界初の有人動力飛行を行ったのは米国人のライト兄弟で、飛行実験が行われたのは1903年12月17日とされている。だが、有人飛行は彼らが初ではなく、1783年にフランス人のモンゴルフィエ兄弟が熱気球で有人飛行を行ったこと...

Dolly Ki Doli

 泥棒や詐欺師のような軽犯罪者を主人公にした、いわゆる「コン」モノの映画はインド人の大好物だ。頭脳を使って稼ぐことが褒めそやされる国民性や、騙された者をせせら笑う「他人の不幸は蜜の味」的な悦楽があるのだろう。インド人の人...