パーティション

 インド現代史にとって最大のトラウマは1947年の印パ分離独立である。英国による植民地支配は18世紀から始まり、19世紀半ば以降にインドを完全に植民地とした。20世紀前半、インドでは独立運動が勢いを増し、第二次世界大戦を...

ゾロアスター教

 ゾロアスター教は世界でもっとも古い宗教のひとつに数えられる、現在のイラン発祥の宗教である。日本語では「拝火教」とも呼ばれる。創始者とされるザラスシュトラ(ゾロアスター)が実在の人物なのか、実在するとしたらいつの時代の人...

ホーリー

 例年3月に祝われるホーリー祭は、数あるインドの祭りの中でも、もっとも特徴的で、もっとも刺激的で、そしてもっともカラフルな祭典である。ヒンディー語では「होलीホーリー」と書く。ヒンドゥー教の太陰暦では第12月であるファ...

輪廻転生

 人は死んだ後どうなるかは、世界中の宗教の関心事である。ヒンドゥー教をはじめ、インドで生まれた宗教は、輪廻転生という死生観の上に成立していることがほとんどだ。身体は滅びても魂は不滅で、生きとし生けるもの全ては、生と死、そ...

寡婦とサティー

 インドでは寡婦の地位は著しく低い。寡婦差別と表現していいくらいである。インドには寡婦にまつわるいくつかの習慣があり、インド映画でも時々取り上げられることがある。

神よ・・・

 インドは宗教大国であり、それぞれの宗教にはそれぞれの神や信仰対象がいる。インド人は概して非常に信心深く、宗教は生活に溶け込んでおり、インド人の会話の中に神様が言及されることはとても多い。それは映画の中の台詞や歌詞におい...

ラーマーヤナ

 インド二大叙事詩のひとつ「ラーマーヤナ」と、この物語に登場するラーマ王子、スィーター姫、猿の将軍ハヌマーンなどについての前知識は、インド映画を深く理解する上で必須ともいっていい。インド映画では様々な形で「ラーマーヤナ」...

ジャイナ教

 ジャイナ教はインド特有の宗教である。世界史の教科書で一般に教えられているように、開祖をマハーヴィーラとすれば、成立は仏教と同じくらいか、それよりも少し古いことになる。だが、ジャイナ教によれば、マハーヴィーラは24番目の...

スィンドゥール

 インドの既婚女性は、一目で既婚であることが分かるような既婚の印を身に付けることが多い。その代表がスィンドゥールである。ヒンディー語では「सिंदूर」と書く。インド人女性の額の上、髪の真ん中の分け目に赤い線が引いてある...

メヘンディー

 ヒンディー語映画を観ていると、特に結婚式のシーンなどで、女性たちの手足に美しい装飾紋様が施されているのを目にする。これは「मेहंदीメヘンディー」という。

教育制度

 インドの教育制度は非常に複雑で、おそらくインド人でもその全容を完全に理解している人はいない。だが、基礎知識として、インドの初等中等教育制度については、10年+2年制を採っており、10年生と12年生のときに進路を決める上...

ダシャハラー

 ダシャハラーは、ヒンドゥー教三大祭のひとつに数えられる大きな祭礼である。アルファベットでは「Dussehra」、ヒンディー語の表記に使われるデーヴァナーガリー文字では「दशहरा」と書かれる。読み方が少し難しい語で、カ...