サアーダト・ハサン・マントー

 サアーダト・ハサン・マントー(Saadat Hasan Manto)はウルドゥー語の著名な作家である。1912年に英領インドのパンジャーブ州で生まれ、1947年の印パ分離独立を経験し、1948年にパーキスターンに移住し...

ガルバー&ダンディヤー

 毎年10月頃に九夜に渡って祝われるヒンドゥー教の大祭ナヴラートリ(九夜祭)の時期、インド各地では様々な催し物が行われるが、グジャラート州名物として有名なのがガルバーとダンディヤーである。どちらも群衆が円になって回りなが...

ライラーとマジュヌーン

 ヒンディー語映画を理解する上で押さえておいた方がいい文学作品がいくつかあるが、12-13世紀に活躍したペルシアの詩人ニザーミーが著した悲恋物語「ライラーとマジュヌーン」はその筆頭である。「ライラー」は「ライラ」、「マジ...

ガル・ジャマーイー

 ヒンディー語には「घर जमाईガル・ジャマーイー」という言葉がある。直訳すれば「家に居座ること」みたいな意味になる。これは、一般的にインド人男性がもっとも忌み嫌う言葉である。彼らは、世間から「ガル・ジャマーイー」と呼...

略奪結婚

 「略奪結婚」と聞いてどんな結婚を思い浮かべるだろうか。現代の日本の文脈では、配偶者または恋人のいる異性にアプローチして奪い取り、結婚してしまうことを思い浮かべる人が多いかもしれない。また、男性が意中の女性を誘拐して無理...

エンカウンター

 インド映画でよく使われる独特の用語に「エンカウンター」がある。当然、英語の「encounter」から来ている言葉で、「遭遇」という意味である。だが、インドの警察の間では異なった使われ方をする。

イザーファト

 日本語に漢語や外来語と呼ばれる、他言語からやって来て定着した言葉がたくさんあるように、ヒンディー語にも様々な言語から入って来て使われるようになった借用語がある。ヒンディー語が主に語彙の源泉とする言語は、ペルシア語、サン...

マーングリク

 インドでは占星術が日常生活に浸透しており、子供が生まれるとジャナムパトリーまたはクンダリーと呼ばれるホロスコープが作られるのが常だ。ジャナムパトリーには、その人が誕生したときの天体の位置が模式図で表され、それを読み取る...

10万と1,000万

 言語によって、大きな数を表す数字の区切り方が異なるのは面白い現象である。  例えば日本語では、以下のように区切っている。万を超えるとゼロが4つずつ増えていく。 一 1 十 10 百 100 千 1000 万 10000...

786

 「786」は、ヒンディー語では「सात सौ छियासीサート サォ チヤースィー」と読む。ヒンディー語映画を観ていると、「786」という数字に特別な意味があることに気付くのではなかろうか。また、インドを旅行していて...

ハヌマーン・チャーリーサー

 インドの土着の宗教であるヒンドゥー教を信仰する人々はインドの全人口の8割を占める。よって、ヒンディー語映画の登場人物もヒンドゥー教徒であることが多い。  ヒンドゥー教は多神教であり、各地で数多の神様が信仰されている。ヒ...

1/2と1/4

 ヒンディー語の数詞と共に使われ、基本単位の「+1/2」、「+1/4」、「-1/4」を表す特殊な形容詞がある。  基本単位とは、桁の単位と考えるといいだろう。どういうことかというと、例えば「750」と言いたいとき、ヒンデ...