Romeo Akbar Walter

 1971年の第三次印パ戦争はインドの完全勝利に終わった戦争であるため、インド映画の題材にしやすい。ここに来てこの頃の印パ関係に関する映画が続いている。「The Ghazi Attack」(2017年)や「Raazi」(...

Notebook

 一目惚れから始まる単純なボーイ・ミーツ・ガール的ロマンス映画もインドではまだ根強く作られているのだが、その一方でインド人好みなのが、男女が結ばれないか、究極的には全く顔を合わせずに終わるような淡い恋愛である。「The ...

Tennis Buddies

 インドではクリケットの人気が度を超しており、それ以外のスポーツの正常な発展が阻害されているほどだが、それでもいくつかのスポーツでは国際的なプレーヤーも登場している。硬式テニスはそのひとつで、男子ではマヘーシュ・ブーパテ...

Junglee

 ハリウッドの映画監督がインド映画を撮るという酔狂な試みは、かつてサルマーン・カーン主演「Marigold」(2007年)で行われ、大失敗に終わった。外部の人間が、形ばかりのインド映画を作ったところで、本当のインド映画ら...

Gone Kesh

 2019年3月29日公開の「Gone Kesh」は、脱毛症に悩む女性が主人公の変わった映画である。題名は「髪の毛がなくなった」という意味になる。「絶望的な状態」という意味の英単語「Gone Case」に、「髪の毛」とい...

Kesari

 18世紀から19世紀にかけて、インド亜大陸各地に存在した藩王国は徐々に英国の支配下に組み込まれて行き、最後まで抵抗を続けたスィク王国も1849年に併合された。こうして英領インドはアフガニスタンと本格的に国境を接すること...

Mard Ko Dard Nahi Hota

 最近は日本で劇場一般公開されるインド映画も増えて来たが、通常そのような映画は、ある程度名の通った監督や俳優の出演作である。その点、「燃えよスーリヤ!!」の邦題と共に日本でも公開されたヒンディー語映画「Mard Ko D...

377 Ab Normal

 インドでは最近まで同性愛は犯罪だった。それを規定していたのがインド刑法(IPC)第377条だった。この条文は同性愛を「自然に反する行為」の一部として禁止しており、最高刑を終身刑としていた。だが、21世紀に入り、この条文...

Photograph

 日本でも「めぐり逢わせのお弁当」の邦題と共に公開され話題となったインド映画「The Lunchbox」(2013年)。そのリテーシュ・バトラー監督の最新作「Photograph」がAmazon Prime Videoで...

Milan Talkies

 ヒンディー語映画を作っている人々は、まず十中八九、映画好き、もっと言えば映画オタクである。よって、映画の中に映画オタク振りがひしひしと感じられる作品は少なくない。過去のヒンディー語の名作へのオマージュが散りばめられた作...

Mere Pyare Prime Minister

 インドのトイレ問題を初めて公の場で本格的に取り上げたのはナレーンドラ・モーディー首相だった。2014年に首相に就任し、最初の独立記念日スピーチにおいて、彼は全国民の前で、インドではトイレが家にない人がたくさんいることや...

Badla

 復讐モノはインド人の好む伝統的なジャンルであり、「Madhumati」(1958年)、「Sholay」(1975年)、「Karz」(1980年)から最近の「Ghajini」(2008年)や「Badlapur」(2015...