Afwaah

 2014年、ナレーンドラ・モーディー首相の圧倒的な人気を追い風にインド人民党(BJP)が中央政府の政権を握って以来、インドではヒンドゥー教至上主義が勢力を拡大し、イスラーム教徒など宗教マイノリティーへの迫害が激化してい...

Mrs Undercover

 インドでは中産階級の女性は外で働かず主婦として夫の収入に頼る生活が理想とされている。結婚前は働いていても、結婚後は家庭に入って夫を支えるのが主流だ。男性にとっても、妻に金銭を稼がせるのは甲斐性がなく不名誉なこととの観念...

Chhatriwali

 インドは性の奥義書「カーマスートラ」やミトゥナ像(男女交合像)で有名なカジュラーホー寺院群を生んだ国だが、世界でも性教育が遅れている国である。日本でも公開された「Padman」(2018年/邦題:パッドマン 5億人の女...

Unpaused

 新型コロナウイルスはインドの映画産業に大きな打撃をもたらした。感染予防対策としてロックダウンが実行されたことにより、映画館が封鎖され、新作映画の公開が途絶えた。映画産業に関わる人々も仕事を失うこととなった。だが、危機は...

Made in China

 隣り合う二大国であるインドと中国は国境紛争を抱えており、1962年には戦争もしている。また、中国は、インドと犬猿の仲であるパーキスターンの全天候型パートナーでもある。そんなこともあって二国間関係は必ずしも良好ではないが...

Veere Di Wedding

 2010年代のヒンディー語映画界の大きな特徴のひとつは、女性が主人公の映画が増えたことだ。女性が主人公と言うことは女優が主演の映画であり、しかも観客層は女性となる。かつては男優の添え物に過ぎなかった女優たちにとって、自...

Love per Square Foot

 不動産を巡る物語はインドでも少なくなく、特に大半の人にとって人生で最大の買い物となるマイホームを巡るゴタゴタは、例えば「Khosla Ka Ghosla!」(2006年)という傑作で取り上げられた。2018年2月14日...

Ribbon

 2017年11月3日公開の「Ribbon」は、予定外の妊娠により人生に変化が訪れた若い夫婦の物語である。ドキュメンタリータッチで描かれた日常の小さな出来事の積み重ねで成り立っている、上品な小品である。

Parched

 インド独立の父、マハートマー・ガーンディーは、「本当のインドは村にある」と述べた。インドの素晴らしい美徳や伝統は喧噪と虚飾の都市部にはなく、自然と共に生きる人々の住む農村に行かなければ見ることはできないという、村を理想...

Aurangzeb

 2013年5月17日公開の「Aurangzeb」は、ムガル朝第6代皇帝アウラングゼーブが題名になっているものの、アウラングゼーブ帝の物語ではない。アウラングゼーブは皇位継承争いの中で父親のシャージャハーンを幽閉し、兄の...

English Vinglish

 ラダック・ツーリングで3週間ヒンディー語映画を観ることができなかった。その間にいくつか重要な映画が公開されており、今週はできるだけ多くの映画を観ようと思う。とりあえず今日は2本の映画を観た。最初に観たのは非常に評判の良...

Aarakshan

 時々、「インドでは憲法上カースト制度は禁止されている」とされることが多いが、それは誤りである。インド憲法第3部(第15-16条)「宗教、人種、カースト、性別、出身地に基づく差別の禁止」においてカースト差別が禁じられてい...