Raman Raghav 2.0

 21世紀、ヒンディー語映画界には数々の有能な監督が登場したが、その中でももっとも影響力を持っているのがアヌラーグ・カシヤプ監督である。「Dev. D」(2009年)や「Gangs of Wasseypur」(2012年...

Te3n

 韓国映画を公式・非公式にリメイクしたヒンディー語映画は意外と多い。有名なところでは、「オールド・ボーイ」(2003年)のリメイクの「Zinda」(2006年)や「猟奇的な彼女」(2001年)のリメイクの「Ugly Au...

Manjhi: The Mountain Man

 実話を元にした映画は、どこの国でも、いつの時代でも、人々の関心を引くものだ。ヒンディー語映画界にも「実話映画」の系譜がある。実話をどこまで忠実に再現するか、物語をどのように味付けするか、などは監督の裁量により異なって来...

Bajrangi Bhaijaan

 南アジアの情勢についてあまり詳しくない人にとって、インドとパーキスターンの関係は分かりにくいかもしれない。この2国は過去に3回(非公式なものを含めると4回)戦争をしており、お互いにお互いを宿敵と認識している。インドは長...

An Unfold Fact Lateef

 2015年5月15日公開の「An Unfold Fact Lateef」は、インド社会に蔓延する若者のドラッグ中毒を取り上げた作品である。ナワーズッディーン・スィッディーキーが主演だが、とても若く見える。「Chocol...

Badlapur

 ヒンディー語に「バドラー(बदला)」という単語がある。大修館の「ヒンディー語=日本語辞典」によると、この単語には7つの意味がある:①変えること ②交換 ③賠償 ④返し ⑤報復 ⑥報い ⑦返礼。「~の見返りに」という意...

Liar’s Dice

 なら国際映画祭2014で日本未公開のインド映画が2本公開されると聞き、奈良に来ている。どちらも全くノーマークだった映画で、メインストリーム映画ではないため、これを逃したら観る機会はないかもしれないと思い、奈良の観光がて...

Kick

 ヒンディー語映画界では毎年のように新しいスターが誕生しているのだが、90年代から続く3カーン――シャールク・カーン、サルマーン・カーン、アーミル・カーン――の勢力は依然強く、2014年も終わってみれば大ヒット作はやはり...

Anwar Ka Ajab Kissa

 「Anwar Ka Ajab Kissa(アンワルの奇妙な物語)」は、ナワーズッディーン・スィッディーキー主演のダークコメディー映画である。2013年10月17日にBFIロンドン映画祭でプレミア上映されたが、劇場一般公...

The Lunchbox

 「The Lunchbox」は、インドでは2013年9月20日に公開された映画である。基本的に台詞はヒンディー語で、英語やマラーティー語の台詞もあるが、ヒンディー語映画としてしまってもいいだろう。日本公開時の邦題は「め...

Bombay Talkies

 2013年はインド映画100周年の年だった。インドで映画が作られ始めた時期についてはいくつかの見方があるものの、インド人監督とインド人スタッフによってインドの地で作られたストーリー映画を「インド映画」と定義することによ...

Aatma

 2013年3月22日公開の「Aatma(魂)」は、6歳の女の子が、死んだ父親を恋しがるあまり、その父親の魂を呼び寄せてしまうというホラー映画である。「Raaz」(2002年)でヒンディー語映画界にホラー映画というジャン...