Budhia Singh: Born to Run

 今までヒンディー語映画界では、実在の陸上競技選手の伝記映画がいくつか作られて来た。代表的なのは、陸上競技選手から盗賊になったパーン・スィン・トーマルの伝記映画「Paan Singh Tomar」(2012年)と、アジア...

Kriti

 個人的に、ヒンディー語映画界でもっとも認めていない映画監督がシリーシュ・クンダルだ。彼は「Om Shanti Om」(2007年/邦題:恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム)などの監督かつ優れたコレオグラファーでもあ...

Taandav

 2016年2月5日にIndie Muvizで配信された「Taandav」は、マノージ・バージペーイー主演の短編映画である。上映時間は11分ほどで短く、内容もそれほど説明的ではない。断片的な映像をつなぎ合わせてストーリー...

Aligarh

 インドでは同性愛は犯罪である。英領インド時代の1860年に制定されたインド刑法(IPC)第377条において、「自然に反する性交渉」は10年以下の懲役または罰金と規定されている。この「自然に反する性交渉」とは、オーラルセ...

Tevar

 昔からヒンディー語映画界は南インド映画のリメイクをして来たが、現在のリメイク氾濫のきっかけはアーミル・カーン主演「Ghajini」(2008年)やサルマーン・カーン主演「Wanted」(2009年)辺りだった。これら以...

Mahabharat

 インドが誇る二大叙事詩のひとつ「マハーバーラタ」は、10万詩以上から成る世界最長の物語としても知られる。かつて北インドで覇権を握ったクル族の内紛が基軸だが、その中に無数の挿話が入れ子式に差し挟まれている。あまりに長大な...

Satyagraha

 東京外国語大学のインド人客員教授ラーム・P・ドゥイヴェーディー氏が2014年1月25日に、2013年8月30日に公開されたヒンディー語映画「Satyagraha」について講演をするとの告知を受け取った。ちょうど翌日の2...

Shootout at Wadala

 インドの警察用語に「エンカウンター(encounter)」がある。直訳すれば「遭遇」であるが、インドでは警察がギャングやテロリストを特に銃撃によって殺害することを言う。名目上は、犯罪者を逮捕しようとしたところ、武装して...

Special 26

 日本にも1968年の三億円事件という未解決の事件があるが、迷宮入りした大事件が人々の想像をかき立てるようだ。2013年2月8日公開の「Special 26」は、1987年にボンベイで起こったオペラハウス強盗事件を題材に...

Chakravyuh

 アーディワースィー(原住民)と呼ばれる部族が多く住むインドの森林地帯では、ナクサライト(インド共産党毛沢東主義派)と呼ばれる極左武装組織と警察・武装部隊との間の戦いが熾烈化しており、インドの大きな内憂となっている。イン...

Chittagong

 インド独立運動は今まで頻繁にヒンディー語映画のテーマや舞台背景となっており、その中でもマハートマー・ガーンディーやバガト・スィンの人生、思想、活動はよく取り上げられる。しかし、1930年4月18日のチッタゴン反乱はイン...

Gangs of Wasseypur Part 1

 今年、カンヌ映画祭と平行して開催される監督週間(Directors’ Fortnight)において、インドの娯楽映画として初めて公式上映作品となり話題になった作品がアヌラーグ・カシヤプ監督渾身のギャング映画...