Saat Uchakkey

2.5

 ヒンディー語映画には、詐欺師が人を騙したり、泥棒が泥棒をしたりする様子をコメディータッチで追うコン映画というジャンルがあるが、2016年10月16日公開の「Saat Uchakkey(7人のならずもの)」もコン映画の一種である。ヒンディー語映画界を代表する演技派俳優たちが総出演した豪華な映画だ。

 監督は、作詞家として活躍してきたサンジーヴ・シャルマーで、本作が監督デビュー作となる。キャストは、マノージ・バージペーイー、ヴィジャイ・ラーズ、アディティ・シャルマー、アンヌー・カプール、アヌパム・ケール、ケー・ケー・メーナン、ジャティン・サールナー、ヴィプル・ヴィーグ、アパールシャクティ・クラーナー、ニティン・バスィーン、ルシン・ドゥベーなどである。

 オールドデリーに住むパッピー・ジャートワーラー(マノージ・バージペーイー)は、認知症の老人ディーワーン(アヌパム・ケール)が住む古い邸宅に宝物が隠されているという噂を聞きつけ、恋人のソーナー(アディティ・シャルマー)、弁護士のジャッギー(ヴィジャイ・ラーズ)などと泥棒に入る計画を立てる。だが、警察官のテージパール(ケー・ケー・メーナン)がパッピーに目を付けており、真っ先に疑われそうだった。そこでパッピーはジャギーの協力を得て、テージパールの目の前で殺される振りをし、死んだことにする。こうして盗みに入るタイミングをうかがっていた。

 ところで、ソーナーはテージパールから言い寄られていた。パッピーが死んだことになったため、ソーナーの母親(ルシーン・ドゥベー)は娘をテージパールに結婚させようとする。パッピーは早めに盗みに入る必要性に迫られ、遂に作戦を決行する。パッピーやジャッギーら7人は、邸宅の地下に金庫を見つけ、その中に金の神像や金貨を発見するが、そのとき、精神病院から逃げ出したビッチー(アンヌー・カプール)が現れ、7人に幻想を見せる。改心した7人は、財宝を盗まずに邸宅を後にする。テージパールもビッチーに会い、財宝を持たされる。テージパールはそれを警察に持って行く。

 パッピーは、宝くじの1等賞が当たる。早速パッピーはソーナーと結婚する。テージパールはパッピー殺人の容疑でジャッギーを逮捕するが、パッピーが生きていること、そしてソーナーと結婚したことを知り、ショックを受ける。

 普段はメインストリーム映画で脇役を演じている個性派俳優たちが寄り集まって演技を披露し合うのが目的のような映画であった。だが、脚本に難があり、クライマックスも不発に終わっている。キャストの顔ぶれから期待されるようなレベルの作品になっておらず、残念だった。

 やはり映画で一番力を入れなければならなかったのは、邸宅に隠された財宝を探しに潜入する終盤である。だが、そこにあまり緊迫感がなく、単なるドタバタ劇に終わってしまっていたので、映画全体が締まらなかった。精神病院から逃げ出したビッチーは使いようによっては面白いキャラになっただろうが、オカルトの方向に逃げてしまっていて、正体が明らかにならなかったので、これも消化不良であった。

 ただ、演技については一級品で、マノージ・バージペーイーやヴィジャイ・ラーズなどが思う存分羽を伸ばして演技をしていた。ヒロインのアディティ・シャルマーは「Ladies vs Ricky Bahl」(2011年)などに出演していた女優であり、その後は目立った作品に出演できていないが、この「Saat Uchakkey」では存在感を示していた。

 オールドデリーが舞台という設定の映画であり、実際のロケもオールドデリーの路地や邸宅などを使って行われたと思われる。オールドデリーで生活する人々の様子などが垣間見えていたのは面白い点だった。

 「Saat Uchakkey」は、演技派俳優たちが勢揃いしたコメディータッチのコン映画だが、脚本に難があり、そのキャスティングを活かせていない。わざわざ観る必要はない映画である。