Partner

4.0

 今日は、2007年7月20日より公開の新作ヒンディー語映画「Partner」を見た。サルマーン・カーンとゴーヴィンダー共演のコメディー映画である。監督は「コメディーの帝王」デーヴィッド・ダワン。サルマーン・カーンが恋人のカトリーナ・カイフと共演していることも注目である。二人が初共演したのは「Maine Pyaar Kyun Kiya」(2005年)であり、今回で2本目となる。

監督:デーヴィッド・ダワン
制作:ソハイル・カーン、パラグ・サーングヴィー
音楽:サージド・ワージド
作詞:サンジャイ・チェール、シャッビール・アハマド、ジャリース・シェールワーニー
振付:ボスコ・シーザー
出演:サルマーン・カーン、ゴーヴィンダー、ラーラー・ダッター、カトリーナ・カイフ、ラージパール・ヤーダヴ、ダリープ・ターヒル
備考:PVRプリヤーで鑑賞。

 幼い頃から女性に囲まれて育ったプレーム(サルマーン・カーン)は、女性の心理を理解し、世の悩める男性たちの恋を応援するラブ・グル(恋の導師)となった。ある日、プレームのもとにバースカル・ディワーカル・チャウダリー(ゴーヴィンダー)という男が相談にやって来る。バースカルの片思いの相手は、大富豪ラージ・ジャイスィン(ダリープ・ターヒル)の娘で押しも押されぬセレブ、プリヤー(カトリーナ・カイフ)であった。プレームは無理だと言い張るが、バースカルはどこまでも彼を追い掛け回す。とうとうプレームも了承せざるをえなかった。

 バースカルはプリヤーの会社の財務顧問だった。バースカルは会議でプレームに言われた通りに激しく主張し、プリヤーの関心を引き付ける。バースカルは逐一プレームからアドバイスを得つつ、プリヤーと次第に仲を深めて行く。だが、父親はプリヤーを白人男性と結婚させようとしていた。プレームとバースカルは婚約式会場まで押しかけて説得する。そのおかげでバースカルはプリヤーの結婚相手として認められる。

 一方、プレームはジャーナリストのナイナー(ラーラー・ダッター)に一目惚れした。ナイナーはスクープのため、正体不明のマフィア、チョーター・ドン(ラージパール・ヤーダヴ)を追いかけていた。プレームは何度か彼女の危機を救うが、ナイナーはなかなか彼を認めようとしない。ナイナーには養子がおり、それが彼女の心のブレーキにもなっていた。プレームは子供とも仲良くなり、必死にアピールする。やがてナイナーもプレームを将来の夫として認め始める。

 ところが、ナイナーはプレームがラブ・グルであることを突き止めてしまう。ナイナーは、ラブ・グルが男性たちに、女性を玩具にして遊ぶことを教えている人物だと勘違いしており、自分を騙した復讐として新聞に、ラブ・グルの助言によってバースカルがプリヤーを手玉に取ったと記事にする。それを呼んだプリヤーは怒り、バースカルを会社から追放してしまう。

 だが、プレームはプリヤーの誤解を解き、ナイナーをも説得する。こうしてプレームとナイナー、バースカルとプリヤーはめでたく結婚することになる。しかし、バースカルはハネムーン先までプレームを追いかけて来たのであった・・・。

 ファニーなハンサム男サルマーン・カーンと、アクションと早口の両方で笑いを取れるゴーヴィンダーが共演するコメディー映画。ヒロインは新世代の女優ラーラー・ダッターとカトリーナ・カイフである。面白いことに、実生活での恋人であるサルマーンとカトリーナは、映画中では恋人関係ではなかった。サルマーンとラーラー、ゴーヴィンダーとカトリーナのカップルであった。また、デーヴィッド・ダワン監督は以前にサルマーン・カーンとカトリーナ・カイフを主演に据えたコメディー映画「Maine Pyaar Kyun Kiya」を撮っており、映画中でも同映画のヒット曲「Just Chill」が少しだけ出て来ていた。

 サルマーン・カーン、ラーラー・ダッター、カトリーナ・カイフという美男美女が出演し、ゴージャスな歌と踊りがいくつも繰り広げられる煌びやかな雰囲気の映画である上に、笑いも壺にはまるようなものばかりで、コメディー映画として非常に完成度が高かった。脳みそを使わない娯楽映画としては最高点である。「Maine Pyaar Kyun Kiya」と非常によく似たスタイルの映画で、ダワン監督が二匹目のドジョウを狙ったことが伺われる。

 しかし、編集の段階でのミスなのか、それとも上映時のミスなのか、途中でストーリーが飛んでいるところがあった。バースカルがプリヤーの父親ラージに昼食に呼ばれるシーンと、プリヤーと白人男性との婚約式の間に、バースカルとラージが昼食をとるシーンが必要だったはず。おそらくここで、バースカルが何か失敗をやらかしたか、プリヤーが白人男性と結婚することを聞かされたかするはずだったのだと思うのだが、これが抜けていたために、プリヤーと白人男性との婚約式が唐突な展開になってしまっていた。

 サルマーン・カーンとゴーヴィンダーは、「Partner」とい題名の通り、息の合ったドタバタ劇を演じていた。デーヴィッド・ダワン監督は、「Jodi No.1」(2001年)、「Mujhse Shaadi Karogi」(2004年)、「Maine Pyaar Kyun Kiya」など、2人の男優の凸凹コンビでコメディー映画を撮るのがうまい監督だ。

 男性中心のコメディー映画だったため、女優の活躍の場は少なかったが、ラーラー・ダッターとカトリーナ・カイフはそのゴージャスさで映画を彩っていた。特にカトリーナ・カイフのオーラが増して来ているように思える。

 ラージパール・ヤーダヴが、「Don」(2006年)でシャールク・カーンが演じたドンのパロディー、チョーター・ドン(小さなドン)役で出ていたが、オマケの域を出ておらず、映画中で特に重要な役割を果たしていなかった。

 音楽はサージド・ワージド。「Do You Wanna Partner」、「Dupatta Tera Nau Rang Da」、「Maria Maria」など、思わず踊り出したくなるようなダンスナンバーが多い。脈絡のない入り方をするダンスシーンがいくつかあったが、どれも豪華絢爛な作りで、邪魔にはなっていなかった。一番のお気に入りは「Soni De Nakhre」。サルマーンのカクカクした踊りよりも、やはりゴーヴィンダーの滑らかな踊りに目が行く。カトリーナも本当に楽しそうに踊っていてよかった。

 「Partner」は、サルマーン・カーンとゴーヴィンダーという、昔からヒンディー語映画を観ている人には馴染みの深い男優たちと、ラーラー・ダッターとカトリーナ・カイフとい、現在のヒンディー語映画界を代表する若手女優たちが共演する、優れたコメディー映画である。暇つぶしには最適の映画だ。