Housefull 3

 しばしば、「脳みそを家に置いて楽しむべし」とされるインド映画の中でも、コメディー映画は特に脳みそ空っぽで楽しむべきジャンルだと一般に考えられる。だが、(日本の状況はさておき)コメディアンというのは最も知性を必要とする職...

Happy New Year

 ヒンディー語映画界が誇る女性監督ファラー・カーンの最大の功績は、女性でも娯楽映画を作り、成功させられるということを証明したことであろう。ヒンディー語映画は元来、男性中心主義で動いており、女性はカメラの前にいようと裏にい...

Dhoom: 3

 ヒンディー語映画は21世紀に入り劇的な変化を遂げて来たが、その中でひとつの新しい傾向として定着したのが、続編の制作である。ハリウッド映画などではヒット映画の続編は既に食傷気味なほどお馴染みの慣習であるが、ヒンディー語映...

Bol Bachchan

 今やヒンディー語映画界のアクションコメディーを牽引する存在となったローヒト・シェッティー監督。「Golmaal」シリーズの成功や「Singham」(2011年)の大ヒットにより、「稼げる監督」として引く手あまただ。ど派...

Players

 ヒンディー語映画界にとって近年稀に見る当たり年となった2011年も終わり、2012年が始まった。1月6日、今年最初の公開作はアッバース・マスターン監督の「Players」。ハリウッド映画「The Italian Job...

Dum Maaro Dum

 アラビア海に面したゴア州はインドを代表する観光地だ。ポルトガル領時代の遺構やフランシスコ・ザビエルのミイラも見物だが、何と言ってもゴアが世界に名を轟かせているのはそのビーチである。沿岸線にいくつものビーチが点在し、それ...

Game

 2011年2月末からクリケット・ワールドカップが開催されている影響で、ヒンディー語映画界は自粛モードに入っており、ここ1ヶ月間まともな新作は公開されなかった。だが、そのワールドカップも4月2日の決勝戦でもって終了するた...

Khelein Hum Jee Jaan Sey

 21世紀のヒンディー語映画の進化の方向性を決定づけた映画がアーミル・カーン主演「Lagaan」(2001年)であった。1893年の英領インドの農村を舞台とし、農民たちが英国人支配者たちと年貢を賭けてクリケットの試合をす...

Raavan

 6月中旬から日本に一時帰国していた。その間公開された新作ヒンディー語映画の中でもっとも重要な作品が2010年6月16日公開のマニ・ラトナム監督「Raavan」であった。

Paa

 2007年末に公開されて大ヒットとなったアーミル・カーン初監督作「Taare Zameen Par」は、ディスレクシア(失読症)という病気を扱った作品であった。特定の難病を扱った映画が割と簡単に一定の感動を呼ぶドラマと...

Delhi-6

 ヒンディー語映画界では近年、急にデリーを舞台にした映画がいくつも作られるようになった。以前からデリーで部分的にロケが行われた映画はあったのだが、デリーを単なるインドの首都としてではなく、生きた街として心からの愛情と共に...

Luck by Chance

 ヒンディー語映画界では、映画産業の様々な側面を題材にした映画がコンスタントに作られている。「Om Shanti Om」(2007年)や「Khoya Khoya Chand」(2007年)は過去や現在のヒンディー語映画界...