Phantom

 2008年11月26日。インド人にとって忘れられない日だ。当時インドに住んでいた僕にとっても。それは、ムンバイー同時多発テロが起こった日。パーキスターンから海路、ムンバイーに上陸した10人のテロリストが、市街地で殺戮の...

Manjhi: The Mountain Man

 実話を元にした映画は、どこの国でも、いつの時代でも、人々の関心を引くものだ。ヒンディー語映画界にも「実話映画」の系譜がある。実話をどこまで忠実に再現するか、物語をどのように味付けするか、などは監督の裁量により異なって来...

Gour Hari Dastaan

 英領インド時代にインド独立のために戦ったフリーダムファイターたちの伝記映画は数多く作られているが、2015年8月14日公開の「Gour Hari Dastaan(ゴウル・ハリ・ダースの物語)」は、インド独立後に「フリー...

Jaanisaar

 レーカー主演の名作「Umrao Jaan」(1981年)を撮ったことでヒンディー語映画史に永遠に名を刻むことになったムザッファル・アリー監督は、アワド地方コートワーラー藩王の家系に生まれた王族であり、芸術家である。映画...

Bangistan

 インドが誇る宗教家にスワーミー・ヴィヴェーカーナンダがいる。ヴィヴェーカーナンダは1893年にシカゴで開催された万国宗教会議にて、あらゆる宗教はひとつであるとし、普遍宗教のコンセプトを説いた。

Drishyam (Hindi)

 ヒンディー語映画は舞台の上でも裏でも基本的に男中心の世界であり、主人公も悪役も男性であることがほとんどだ。その中で女性もしくは女優は、たとえ肩書きが「ヒロイン」であったとしても、添え物に過ぎない扱いを受けて来た。しかし...

aisa yeh jahaan

Aisa Yeh Jahaan

 2015年7月24日公開のヒンディー語映画「Aisa Yeh Jahaan(世界はこのようだ)」のキャッチコピーは「インド初のカーボンニュートラル映画」だ。「カーボンニュートラル」とは、日本の環境省によると「削減が困難...

Masaan

 近年、ウッタル・プラデーシュ(UP)州でロケが行われたヒンディー語映画が増加している。ともすると、ヒンディー語圏外に位置するムンバイーに偏りがちだったヒンディー語映画界が、真のヒンディー語圏である北インドに関心を向ける...

Ludo (Bengali)

 ベンガル語映画は普段あまり観ないが、ベンガル語映画界で活躍するカウシク・ムカルジー、通称「Q」監督の作品だけは何としてでも観ようと思ってしまう。アヌラーグ・カシヤプ監督をさらに過激にしたような、前衛的な映画作りで知られ...

Bajrangi Bhaijaan

 南アジアの情勢についてあまり詳しくない人にとって、インドとパーキスターンの関係は分かりにくいかもしれない。この2国は過去に3回(非公式なものを含めると4回)戦争をしており、お互いにお互いを宿敵と認識している。インドは長...

Baahubali: The Beginning (Telugu)

 インドの映画業界は言語ごとに分かれており、それぞれ独立して存在している。映画界同士で人材の交流は行われるが、インドの観客は自分の母語の映画だけを観る傾向にあり、各映画界ごとに観客は固定されている。ひとつの作品がそのまま...

Guddu Rangeela

 インドでは一般的に恋愛結婚は認められておらず、社会的な慣習に従って、適切な相手とのアレンジドマリッジが行われる。適切な相手というのは、同じ宗教、同じカースト、そして異なるゴートラの相手ということである。ゴートラというの...