ヒンディー語で曜日を示す言葉は実は結構複雑で、ひとつの曜日を複数の言い方で言い表すことができる。また、それぞれの言葉には系統がある。口語では、英語の曜日もよく使われる。
日本語 | ヒンディー語系 | 神様 | ウルドゥー語系 | 英語系 |
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月曜日 | सोम / सोमवार | シヴァ | पीर | मंडे |
火曜日 | मंगल / मंगलवार | ハヌマーン | ट्यूसडे | |
水曜日 | बुध / बुधवार | ガネーシュ | वेडनेसडे | |
木曜日 | गुरुवार / बृहस्पतिवार | 聖者 | जुम्मेरात | थर्सडे |
金曜日 | शुक्र / शुक्रवार | 女神 | जुम्मा | फ़्राइडे |
土曜日 | शनिवार / सनीचर | シャニ | हफ़्ता | सटरडे |
日曜日 | रविवार / इतवार | スーリヤ | संडे |
ヒンディー語系の曜日の名称は天体と関係している。上から順番に、月、火星、水星、木星、金星、土星、太陽に対応している。また、それぞれの曜日にはヒンドゥー教の神様があてはめられており、その曜日にその神様の寺院を参拝するともっとも効果があると考えられている。1週間の中でもっとも気をつけなければならない日は、凶星と考えられている土星の神様シャニの日である土曜日で、この日は厄除けのためにシャニにマスタードオイルを捧げるのが習わしである。シャニはハヌマーンとの戦いで負傷したとされており、その治療のためにマスタードオイルが必要なのである。
ウルドゥー語系の曜日はイスラーム教の文化と密接に関係している。イスラーム教にとってもっとも重要な曜日は金曜日であり、この日(ジュンマー)にモスクで集団礼拝をする習慣になっている。その前日の木曜日は「ジュンメーラート(ジュンマーの夜)」と呼ばれるが、これはイスラーム教の一日の始まりが日没から始まることと関係する。木曜日の日没直後からジュンマーが始まるのだが、その気運を盛り上げるためにその前日にもジュンマーと関連した名称が付けられている。これは、12月24日が「クリスマスイブ」と呼ばれるのと似ている。休日の前の夜ということで、ダルガー(聖者廟)では盛大にサマー(集会)が催され、カッワーリー(聖者賛歌)の演奏が行われることが多い。
インドでは英語の曜日もよく通じるので助かるが、一点だけ気をつけなければならないのは、水曜日が「ウェンズデー」ではなく「ウェードネースデー」と発音されることである。インド英語だと思って慣れるしかない。木曜日の発音も特殊である。
ヒンディー語映画音楽の歌詞に曜日が出てくることは少なくないが、最近の曲では英語が使われることがめっぽう多くなった。「Kick」(2014年)の「Jumme Ki Raat」くらいではなかろうか。
जुम्मे की रात है
चुम्मे की बात है
अल्लाह बचाए तेरे वार से
ジュンマーの夜(木曜日の夜)だ
キスする日だ
神よ、君の攻撃から守りたまえ
「जुम्मा」と「キス」という意味の「चुम्मा」を掛けた、ナンセンスな歌詞の歌である。
英語の曜日を使った曲としては、「Humpty Sharma Ki Dulhania」(2014年)の「Satuyday Saturday」がもっとも有名であろうか。
「日曜日に市場へでかけ~」のような、「各曜日に何をした」系の歌といえば、かなり古くなってはしまうが、「Apnapan」(1977年)の「Somwar Ko Hum Mile」が挙げられる。
सोमवार को हम मिले
मंगलवार को नैन
बुध को मेरी नींद गई
जुम्मे रात को चैन
अरे शुक्र शनि कटे मुश्किल से
आज है इतवार
सात दिनों में हो गया जैसे
सात जनम का प्यार
月曜日に私たちは知り合い
火曜日には目が合った
水曜日には私の眠気は吹き飛び
木曜日には冷静さを失った
金曜日と土曜日は何とか過ぎ
今日は日曜日
この7日の間にまるで
7生に渡る恋愛をした
インドでは英語の曜日が普通に使われるので、現地語の曜日を優先的に暗記する必要はないが、もちろん使えるに越したことはない。