Gang of Ghosts

2.5
Gang of Ghosts

 2014年3月21日公開の「Gang of Ghosts」は「ホラー・コメディー」を銘打っているものの、実質的にはコメディー要素の方が強い映画である。ベンガル語映画「Bhooter Bhabishyat」(2012年)のリメイクである。

 監督は、コメディアン俳優として知られるサティーシュ・カウシク。たまに映画監督をしており、過去に「Tere Naam」(2003年)や「Shaadi Se Pehle」(2006年)など多様なジャンルの映画を撮っている。

 題名から想像される通り、多数の幽霊が総出演する映画という性格上、多くの俳優が起用されている。シャルマン・ジョーシー、パラムブラタ・チャタルジー、マーヒー・ギル、アヌパム・ケール、アスラーニー、ミーラー・チョープラー、ラージェーシュ・カッタル、サウラブ・シュクラー、ラージパール・ヤーダヴ、ヤシュパール・シャルマー、ヴィジャイ・ヴァルマー、チャンキー・パーンデーイ、ジャッキー・シュロフなどである。

 舞台はムンバイーの拡大する都市の中に取り残された古い邸宅ロイヤル・マンション。映画監督のアーディティヤ(パラムブラタ・チャタルジー)はこの邸宅で「Hot Haryanvi」という映画を撮ろうと下見に訪れる。そこで作家ラージュー(シャルマン・ジョーシー)に出会い、彼が温めているストーリーを聞かされる。彼のストーリーはロイヤル・マンションを舞台にしていた。

 ロイヤル・マンションは工場主ゲーンダーマル(アヌパム・ケール)の所有だったが、彼は工場労働者によって殺され、この邸宅に地縛霊として住み着いた。ゲーンダーマルは、友人の英国人ラムゼー、女優マノーランジャナー・クマーリー(マーヒー・ギル)、運転手アートマーラーム(アスラーニー)、失恋して自殺したティナ(ミーラー・チョープラー)、ベンガル人ブートナート(サウラブ・シュクラー)、アクバル・カージャー・カーン(ラージパール・ヤーダヴ)、軍人ホーシヤール・スィン(ヤシュパール・シャルマー)、ロックミュージシャンのロビン・フッダー(ヴィジャイ・ヴァルマー)など、多数の幽霊をロイヤル・マンションに住まわせ、楽しい死後の生活を送り出す。

 ところが、ロイヤル・マンションを買い取って跡地にショッピングモールを建てようと目論む開発業者ブーテリヤー(ラージェーシュ・カッタル)が現れ、平穏な生活に危機が訪れる。ブーテリヤーは妻のラクシュミーを焼き殺した残忍な男でもあった。ゲーンダーマルたちは殺し屋幽霊バーブー・ハトカター(ジャッキー・シュロフ)を雇い、作戦を練る。彼らはラクシュミーの幽霊を見つけ出して仲間にし、ブーテリヤーをロイヤル・マンションに招いて脅す。ブーテリヤーは逃げ出し、ロイヤル・マンションの権利書を幽霊たちに託す。ゲーンダーマルは、マノーランジャナーを裏切った息子グラーブチャンド(チャンキー・パーンデーイ)の幽霊も許し、ロイヤル・マンションに招き入れる。

 アーディティヤはラージューの話すストーリーを気に入るが、実はラージューも幽霊であることを知る。アーディティヤはロイヤル・マンションに隠された金貨や現金を資金源にして、幽霊たちの物語を映画化し始める。

 平和主義の幽霊たちがロイヤル・マンションに集い、共に楽しい死後の生活を送り出すという、何とも牧歌的な導入の映画だった。「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌の中の「お化けにゃ学校も試験も何にもない」という歌詞を地で行くような内容である。近年のヒンディー語映画にしては挿入されるダンスシーンも多めで、かつストーリーとの脈絡が希薄である。しかしながらそのおかげで、ホラー映画とは名ばかりの、底抜けに明るい映画に仕上がっていた。ただ、あまりに登場人物が多すぎるため、各キャラクターの掘り下げには失敗していた。

 映画にはメッセージ性もあった。ムンバイーにおいて急ピッチで進む開発により、古い建物が次々に壊されていくことへの危機感が映画のベースになっていた。それは生きている人間の視点からも十分に訴えることができるのだが、「Gang of Ghosts」がユニークなのは、古い建物に住み着いている幽霊たちの視点から、ムンバイーの急速な変化に警鐘が鳴らされていたことである。ただ、具体的な解決策が示されていたわけではなく、取って付けたようなメッセージ性であったことは否めない。

 多数の著名なコメディアン俳優たちが絡み合うのが映画のひとつの見所になるだろう。アヌパム・ケール、アスラーニー、サウラブ・シュクラー、ラージパール・ヤーダヴなどがドタバタ劇を繰り広げる。シャルマン・ジョーシーやマーヒー・ギルも重要な役柄を演じる。

 ミーラー・チョープラーは、プリヤンカー・チョープラーやパリニーティ・チョープラーの又従姉妹にあたる。今まで南インド映画界で活躍してきており、これがヒンディー語映画デビュー作となる。

 下積み中の作家ラージューが監督のアーディティヤにストーリーを聞かせるというのが物語の枠となっているが、これはインド映画の一般的な製作過程を表している。映画のアイデアを持った人が、映画製作の決定権を持つ人物(プロデューサー、スター、監督など)にストーリーを口頭で聞かせ、気に入ってもらうのである。このとき、内容もさることながら、プレゼン力も物を言うといわれている。アーディティヤはラージューのストーリーを気に入り、自身が温めていた「Hot Haryanvi」という、いかにも下らなそうな映画のアイデアを捨てて、「Gang of Ghosts」を撮ることになるのである。

 「Gang of Ghosts」は、多数の幽霊たちが集住する古い邸宅がムンバイーの都市開発で危機に瀕し、それを救うために幽霊たちが立ち上がるという筋書きのホラー・コメディー映画である。ほとんどホラー要素はなく、終始明るい雰囲気で進行するコメディー映画だ。2時間弱の映画ながらダンスシーンの数が多く、そのせいで内容が薄くなってしまっているきらいがあるが、全くつまらない映画ではない。


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