Meri Nimmo

4.0

 2018年4月27日からEros Nowで配信された「Meri Nimmo(僕のニンモー)」は、少年と年上の女性との間の絆を描いた作品だ。配信以前にも映画祭で上映されたことがあるようだが、詳しい情報がない。劇場一般公開はされていない。

 プロデューサーは「Raanjhanaa」(2013年)などのアーナンド・L・ラーイであり、監督はラーフル・ガノーレー・シャンカリヤー。キャストは、アンジャリ・パーティール、カラン・ダーヴェー、スナヤナー・アガルワール、アマル・スィン・パリハールなど。この中では「Newton」(2017年)に出演していたアンジャリ・パーティールがもっとも名が知られている。

 マディヤ・プラデーシュ州の農村。8歳の少年ヘームー(カラン・ダーヴェー)は、近所に住むニンモー(アンジャリ・パーティール)に毎朝身体を洗ってもらっていた。だが、親友からニンモーがもうすぐ結婚すると聞いて不安になる。あれよあれよという間に婚約式が行われ、ニンモーの結婚式の準備が進んでいく。

 一度は破談になったかに思われた縁談だったが、やはり縁談は復活し、そのまま結婚式が行われる。ヘームーは複雑な思いで過ごし、式後に村を去って行くニンモーを背中で見送る。

 8歳の少年ヘームーが、近所に住む姉同然の女性ニンモーに一方的な恋をし、彼女の結婚を複雑な思いで見守るという物語だった。ヘームーはニンモーと結婚するために、一気に大人への階段を駆け上がろうとし、母親にもニンモーと結婚させてくれと懇願するが、当然それは叶わない。

 ヘームーのひとつひとつの行動がいじらしく、だが何もしてやれないもどかしさも感じながら、結末まで見守るような映画であった。特にヘームーがニンモーの首に、自作のマンガルスートラを掛けるシーンは印象的だ。それまでヘームーは、既婚女性が身に付けるマンガルスートラのことすら知らなかったが、結婚式で夫が妻にそれを掛けると知り、マンガルスートラを作って彼女の首に掛ける。ニンモーもヘームーのそんな子供らしい行動を微笑みながら受け入れる。ヘームーは、これでニンモーは自分のものになったと喜ぶが、実際にはそれは何の効果ももたらさなかった。

 ニンモーはヘームーを可愛がっていたが、それは当然、恋人としてではなく、あくまで近所の子供としてだ。だが、彼女にとってヘームーは故郷で一番大切な人であり、彼女はヘームーがくれたマンガルスートラを婚家まで付けていくつもりだった。しかし、ヘームーは自らそれを外し、投げ捨てる。

 「Meri Nimmo」は、少年の成長の物語と捉えることができるだろう。ヘームーはニンモーと結婚するために、一足飛びに大人になろうとする。口髭を生やそうとしたり、短パンを拒否したり、バイクに乗ろうとしたりする。だが、そんなことでニンモーに大人と認めてもらえるはずがなかった。しかしながら、ニンモーを背中で見送るラストシーンで、ヘームーはグッと成長したように感じられた。好きな人と必ずしも結ばれるわけではないというこの世の条理を理解することほど、少年を成長させることはない。

 まずはヘームーを演じた子役俳優カラン・ダーヴェーが絶賛に値する。ヘームーのキャラクターに命を吹き込んでいたのは、まずは彼の演技であった。もちろん、監督の腕前も良かったのだろうが、カランからは天性のものを感じた。

 ニンモーを演じたアンジャリ・パーティールもいい女優である。絶世の美女というわけではないが、村の女性など、等身大のインド人女性を演じさせたら非常によくはまる。8歳の少年から憧れの対象として見られる女性としても適切であった。

 映画の舞台はあまり明記されていなかったが、マディヤ・プラデーシュ州ジャバルプル近辺と考えていいだろう。途中、ジャバルプルの観光名所であるマーブルロックスも登場したし、ジャバルプルの地名も聞こえてきた。

 「Meri Nimmo」は、農村でありそうな人間関係を映し出しながら、少年の成長を追った心温まる物語である。OTTリリースのため、ほとんど話題になっていないが、非常にいい作品だ。アーナンド・L・ラーイがプロデューサーである点からもそれが期待されるし、その期待通りの映画だった。