Moksha

2.0

 ジャイプルにはインドで、そしてアジアでもっとも大きな映画館ラージ・マンディルがある。一度ラージ・マンディルで映画を観てみたかったのだが、そこでは「Asoka」を上映していた。「Asoka」は既に観たことがある人が多かった上に、評判もよくないので、代わりに2001年11月30日公開の最新映画「Moksha」をマンプラカーシュという映画館で観ることにした。アルジュン・ラームパールとマニーシャー・コーイラーラーが主演の映画で、監督はアショーク・メヘターである。

 「Moksha」は普通のインド映画ではなく、芸術映画的で退屈な映画だった。僕もストーリー全体を把握できなかったので、下に書いたストーリーは僕の推測を交えたものである。

 アルジュンは弁護士になるために勉強していたのだが、金のある者が勝つ裁判のシステムに疑問を持っていた。そして貧しい人に資金を貸して裁判を行えるようにする基金を作ろうとしていた。ところが誰もアルジュンに基金設立のための資金を貸そうとしなかった。アルジュンの恋人のマニーシャーはアルジュンを応援しながらも、アルジュンが金を手に入れた瞬間に殺される夢を見て悪い予感を感じる。アルジュンはとうとう銀行強盗をしてお金を手に入れようとして、マニーシャーに別れを告げて銀行に赴く。ところがマニーシャーが銀行に強盗予告の電話を入れており、既に銀行には警察がいっぱいいた。そしてマニーシャーは自殺をしていた。アルジュンはマニーシャー殺害の容疑に問われ、自分を弁護する。そしてマニーシャーのルームメイトがマニーシャーとレズ関係にあったことを暴き、裁判に勝つ。ところがそのルームメイトから、銀行に予告の電話をしたのはマニーシャーだったことを聞く。その事実にショックを受けたアルジュンは再び銃を持って銀行に向かい、今度は本当に強盗を行う。そして金を手に入れて外に出た瞬間にガードマンに撃たれ死ぬ。

 「Moksha」には二つの意味があり、ひとつは「解脱(輪廻転生からの解放)」、ひとつは「救済」である。どちらかというと映画のテーマは後者の方がふさわしかった。最後に銃で撃たれて死んでしまうところはフランス映画っぽいテイストを感じた。敢えてこの映画のいいところを挙げるとすれば、映像のセンスがインド人離れしていたことか。アルジュン・ラームパールはモデル出身だけあって、アルジュンのプロモーションビデオのような映像が多かった。普通のインド人には理解しがたい駄目映画だろう。