「Asoka」(2001年)を観た後、時間の都合が良かったのでそのまま近くの映画館オデオンでやっている新作映画「Rehnaa Hai Terre Dil Mein」を観に行った。2001年10月19日公開の「Rehnaa Hai Terre Dil Mein」の方は「Asoka」に比べたら空いていた。
主演はRマーダヴァンとディーヤー・ミルザー。どちらも新人である。サイフ・アリー・カーンとアヌパム・ケールがゲスト出演していた。「Rehnaa Hai Terre Dil Mein」とは「君の心に住みたい」という感じの意味だ。監督はガウタム・メーナンである。
マダヴァンとサイフは大学時代の宿敵同士だった。マダヴァンはムンバイーで就職したが、ある日路上で見かけたディヤに一目惚れする。ところがマダヴァンはケンカは強いが女性はからっきり苦手という性格だった。やがてマダヴァンはディヤの友人から、ディヤには婚約者がいて、もうすぐ彼はアメリカから帰って来て結婚式をあげる予定であることを聞く。しかしディヤとその婚約者は顔を合わせたことがないということも知り、マダヴァンは一計を案じる。マダヴァンは婚約者に成りきってディヤの前に現れ、たくみにディヤの心を掴んで二人は相思相愛になる。そしてマダヴァンがディヤに本当のことを打ち明けようとした矢先に本当の婚約者が帰って来る。それが実はサイフだった。サイフはマダヴァンのやった行為を知って怒り、ディヤもマダヴァンとは絶交する。やがてサイフとディヤは結婚式を挙げるが、ディヤの心にはマダヴァンいることを知り、マダヴァンにディヤを譲る。こうしてハッピー・エンドで終わる。
この手のストーリーは段々食傷気味になってきた。かなりコテコテのインド映画だ。最後に花婿が本当に愛している男に花嫁を譲る、というパターンは今まで何度も見てきた。思い出せるだけでも「Hum Aapke Hain Koun..!」(1994年)、「Taal」(1999年)、「Pyaar Ishq Aur Mohabbat」(2001年)・・・う〜ん、もっとあったと思うが今はこれだけしか思い出せない。日本で公開された「Dilwale Dulhania Le Jayenge」(1995年)は父親が最終的に婚約者ではなく娘の愛している男に娘を結婚させる、という終わり方だった。とにかくインド映画の根底にあるテーマは、見合い結婚を恋愛結婚が打ち破ることであることが多い。だが裏返して考えてみると、現実の世界では花嫁は本当に愛している男と結婚できずに両親の決めた男と結婚させられることが多いということなのだろう。
ただ、「Rehnaa Hai Terre Dil Mein」の音楽とミュージカルシーンは非常に良かった。音楽がモダンで踊りも若々しく、いかにも都会的なインド人の若者が好きそうな映画だったと思う。実際僕が見たときは映画館内は非常に盛り上がっており、歓声や口笛が所々であがっていた。また、なぜかよく分からないが映画が終わった後に突然何の脈絡もなくミュージカルシーンが上映された。そういえば「Rehnaa Hai Terre Dil Mein」の音楽CDにはオマケCDが付いており、その中にはテーマ曲のリミックスというか別バージョンが4曲入っていた。今日映画の最後に流れたミュージカル・シーンは1曲だけだったが、他にも3曲くらいあるみたいだった(曲の最初だけチラッと上映されていた)。よって推測だが、もしかして映画が終わった後の余興として、12:00、3:00、6:00、9:00の回それぞれに違った曲のミュージック・クリップが流れるのではなかろうか?僕は今回3:00の回を見た(列車の上でマーダヴァンとディーヤーが踊っているバージョン)ので、他の時間帯にもう一度この映画を観てみれば別のミュージカルシーンが観られるかもしれない。そこまでしたくないが・・・。