To Kill a Tiger (Canada)

 2024年3月10日、米国で第96アカデミー賞授賞式があり、受賞作品が発表された。日本では宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」(2023年)と山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」(2023年)に注目が集まっていた。結果、前者...

Womb: Women of My Billion

 インドで生まれ、香港でマーケターをしていたスリシュティー・バクシーは、2016年にウッタル・プラデーシュ州ブランドシェヘルで起こった集団強姦事件にショックを受け、インドが「修理不可能なほど壊れてしまったのか」を確かめる...

The White Tiger (USA)

 インドにおいて、中産階級以上の家庭が使用人を雇用するのは普通のことである。カースト制度の影響で仕事も細分化しており、運転手、料理人、掃除人、子守など、雇うとなったら複数の人を雇うことが多い。主人と使用人の関係について描...

The Sky Is Pink

 感動的映画を作るための手軽な黄金の公式として、余命幾ばくない人物、もしくは難病を患った人物を主人公にする手法がある。ヒンディー語映画界でも昔から散々使い古されてきたフォーミラであり、21世紀に入ってからも、「Kal H...

Pahuna (Nepali)

 ネパーリー語というとどうしてもネパールが思い浮かぶが、インドにもネパール人は住んでおり、ネパール語を話す人々が住んでいる。「Pahuna」はネパーリー語映画だが、インドで作られており、女優プリヤンカー・チョープラーがプ...

Jai Gangaajal

 プラカーシュ・ジャー監督は硬派な政治ドラマを撮ることで知られた人物であり、彼の「Gangaajal」(2003年)は傑作のひとつに数えられている。2016年3月4日に公開されたプラカーシュ・ジャー監督の「Jai Gan...

Bajirao Mastani

 もし「映画らしい映画」は何かと問われれば各人各様のイメージを持つと思うが、セットや衣装に巨額の予算を投じた豪華絢爛な時代劇・歴史モノ映画は、「映画らしい映画」の代表格だ。インド映画にも時代劇の系譜があり、特にムガル朝時...

Dil Dhadakne Do

 女性監督の台頭は、近年のヒンディー語映画界における明るいトピックのひとつだ。決して女性監督が過去に存在しなかった訳ではないが、娯楽・商業映画の路線で堂々と勝負する女性監督に乏しかった。その状況に一石を投じたのが「Om ...

Mary Kom

 ヒンディー語映画界では長らく「スポーツ映画はヒットしない」とのジンクスがあり、スポーツ映画がほとんど作られなかったのだが、「Lagaan」(2001年)の大ヒットにより流れが変わり、以後、スポーツを題材にした映画が作ら...

Gunday

 一時的なトレンドなのか、はたまた偶然の産物か、最近のヒンディー語映画では「石炭」が何らかの形でよく出て来る。過去には「Kaala Patthar」(1979年)や「Koyla」(1997年)などがあった訳だが、ここ数年...

Goliyon Ki Raasleela Ram-Leela

 21世紀に入ってヒンディー語映画は新時代を迎え、作家性のある監督が増えて来たが、世界観と美意識において、他の追随を許さない、独自の地位を確立しているのが、サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督である。「Hum Dil ...

Krrish 3

 21世紀に入り、ヒンディー語映画のジャンルはハリウッド映画を後追いする形で多様化して来たが、その中でも既にジャンルとして完全に確立したと言えるもののひとつがサイエンスフィクション、いわゆるSFである。未来へ行ったり、宇...