Hawa Ke Pankh

2.5
Hawa Ke Pankh
「Hawa Ke Pankh」

 「Hawa Ke Pankh(空気の羽)」は、耳に障害を抱えながらも絵を描くのが好きな貧しい少年の物語である。15分ほどの短編映画で、初上映は2015年4月30日のダーダー・サーヒブ・パールケー映画祭だと思われる。

 監督はミトゥン・R・シャー。キャストは、ファルハーン、シュバーンギー・サーヴァルカル、ヴィクラム・ヴィール、ラリト・デスーザなどである。

 サリーム(ファルハーン)は耳が聞こえず知能の発達が遅れた子供であったが、絵を描くのが好きだった。母親のシーバー(シュバーンギー・サーヴァルカル)は、絵を描いても稼げないと考え、彼に乞食をさせようとする。だが、近くに住むスーラジ(ヴィクラム・ヴィール)は彼の絵の才能に気付き、彼にクレヨンと紙を与える。サリームは喜んで絵を描き出す。それを見たシーバーは、サリームが金を盗んで無駄なものを買ったと早とちりして彼を叱る。それに気付いたスーラジは、自分が買い与えたと説明するが、シーバーは、絵を描くことは金持ちの子供がすることだと言ってサリームを連れていく。しかしながら、シーバーは考え直し、サリームが絵を描くことを許す。

 サリームを演じていたファルハーンは、演技ではなく本当に障害を持った子供のように見えた。そうだとすれば、彼が地面や壁に描いていた絵も本当に彼自身の作品なのかもしれない。障害のある子供を俳優に起用して映画を撮影するは大変だったのではないかと思われる。

 短い映画ではあったが、子供には好きなことをさせるべきだというメッセージが発信されていたといえる。何となく「Taare Zameen Par」(2007年)の簡略版という感じだった。どんな子供にも得意なことがあり、それを見つけ伸ばしてあげることが親や教師の役目であるという主張を読み解けばいいのだろう。

 ただ、サリームは乞食をしなければならないほど極貧の家庭に生まれた子供だ。また、サリームが描く絵はどう考えても子供の落書きの域を出ていない。絵を描くのは好きなのかもしれないが、絵の才能があるのかどうかは実際のところ未知数である。何となく明るい未来が見える終わり方だったが、これでよかったのだろうかという一抹の不安も感じた。

 「Hawa Ke Pankh」は、耳に障害を抱え、乞食をして生計を立てる少年が主人公の短編映画である。絵を描くのが何より好きだったが、母親からは理解されなかった。そこに現れたある理解者のおかげで彼の人生に一筋の明るい光が差し込むというストーリーである。可もなく不可もなくといった作品である。