Anita and Me (UK)

3.0
Anita & Me
「Anita & Me」

 今日はPVRアヌパム4へ新作映画「Anita and Me」を観に行った。この映画はイギリス生まれのインド人女流作家ミーラー・スィヤールの同名小説を基に作られた英国映画で、言語は英語。ヒングリッシュ映画のひとつと数えることができるだろう。監督はメティン・フサイン。この人がどういう人なのかは調べたがちょっと分からなかった。英国では2002年11月22日に公開された。

 物語はミーラー・スィヤール自身の少女時代をベースにしており、1970年代のイギリスの片田舎の町タリントンが舞台。しかし登場人物たちの話す英語がやたらと訛りまくっていて、恥ずかしながらあまり聴き取れなかった。大体のあらすじを書くと、主人公のミーナーはインド系移民の家庭に生まれた女の子で、インドの伝統的価値観と高等教育を押し付けようとする両親に反発していた。そしてミーナーは作家になる夢を抱いていた。そんなときミーナーの隣にアニターというませた白人の女の子の一家が引っ越して来る。アニターはきれいなブロンドの髪を持ったかわいい女の子で、ミーナーの憧れの的になる。ミーナーはアニターと奇妙な友情を結び、彼女の行動を逐一観察する。次第にアニターは不良少女への道を歩み始める一方で、ミーナーは名門学校の試験に合格し、彼女の書いた小説も雑誌に掲載されることになる。ミーナー一家は住みなれたタリントンを去ることになり、以後2人の人生は別々のものとなってしまう。

 もし日本語字幕付きで見たらけっこういい映画だったかもしれないが、言葉をあまり理解できなかったため、楽しさ半減だった。さすがのインド人も完全に理解している人は少なかったように思える。会場から漏れる笑い声がいつものヒングリッシュ映画やハリウッド映画よりも少なめだった。だがユーモア溢れる登場人物と牧歌的なイギリスの田舎町の風景はよかった。僕は男だからあまり偉そうなことは書けないが、思春期を迎えた女の子の心情が非常にリアルに描かれていたと思う。

 主演のインド人少女チャンディープ・ウッパールは全くの素人俳優らしい。あんまりかわいくないのだが、演技はしっかりしていた。原作作家のミーラー・スィヤールも端役で出演していた。「Bend It Like Beckham」(2002年)に似た作品なので、その映画の成否によっては日本でも上映されることがあるかもしれない。