Arumosam Wahi (Srilanka)

3.0

 インド国際映画祭の作品が上映されているチャーナキャーで、スリランカ映画「Arumosam Wahi(Fancy Rains)」を観た。インドの芸術映画に似た、田舎が舞台のほのぼのとした映画だった。

 ある日、田舎の村にサーカス団がやって来た。村の子供たちは遊び場所をサーカスに奪われて不機嫌だったが、サーカスを見て感動し、早速サーカスごっこをして遊び始める。サーカス団のピエロであるビンドゥーと、紅一点のライラは子供たちとすぐに仲良くなり、彼らにアクロバットをいろいろ教えてあげる。

  しかし華やかなサーカス団も内部では人間関係が渦巻いていた。ちょうどチーフは海外へ出張しており、今のところマネージャーがサーカスを取り仕切っていたのだが、彼はそのサーカス団の乗っ取りを仲間たちと共謀していた。その計画を遂行するためには、チーフの息のかかったビンドゥーが邪魔だった。マネージャーはビンドゥーに乗っ取りの計画を話して仲間に引き込もうとするが、ビンドゥーは承知しなかった。そればかりか、彼はそのことをチーフに告げるという。そこでマネージャーはビンドゥーが空中ブランコをしているときに、わざと失敗させて怪我をさせてしまう。

  ビンドゥーは近くの寺院に運ばれて治療を受ける。ところがビンドゥーが抜けたサーカス団は一気に人気を失ってしまう。ビンドゥーはすぐに回復するが、マネージャーは彼を解雇し、新しいピエロをコロンボから招聘することにしたのだった。

  そこでビンドゥー、ライラと子供たちは、一計を案じる。一方で駅に迎えに行くマネージャーを邪魔し、他方で駅に着いた新しいピエロをうまくコロンボへ追い返し、ビンドゥーがその新しいピエロに成り代わってサーカスに出演した。しかしマネージャーたちはそれがビンドゥーであることに気付き、彼らもまた計画を練る。ビンドゥーのかばんにわざとサーカス団の売り上げ金を隠し、彼を泥棒に仕立て上げたのだった。ビンドゥーは警察に連行されてしまう。出張から帰ってきたチーフも、ビンドゥーが盗みを働いたことに失望する。

  しかし子供たちはビンドゥーが泥棒をしたことを信じなかった。子供たちは力を合わせてマネージャーたちの企みを暴き、ビンドゥーを救い出す。チーフもビンドゥーを疑ったことを謝る。こうしてサーカス団に平和が戻ったのだった。

  とうとう3ヶ月間の公演を終えたサーカス団は次の土地へ移動することになる。ビンドゥーとライラは子供たちに「必ず戻ってくるから」と約束し、去って行った。

 いい映画だった。だが、それ以外に言いようがない。うまくまとまった映画だとは思うが、斬新さに欠けていた。村にサーカスが来て、一騒動起こって、解決して、また去って行く、というあらすじは分かりやすいと言えば分かりやすいのだが、ありきたりな感じがした。2002年製作の映画らしいが、はっきり言って5~60年ぐらい前の白黒映画のテイストだった。ハッピーエンドで終わったところはよかったが、ビンドゥーとライラの仲とか、ビンドゥーの母親の病気とか、いろいろ解決されていない事柄も多かった。また、字幕がよくなくて、全てのセリフに字幕が入っていなかった。かなり要約されて訳されていた感じだ。

 題名の「Fancy Rains(気まぐれな雨)」の由来もよく分からなかった。特に雨が降るシーンもなかったし、雨に関する重要なトピックもなかったと思う。字幕が省略されていたことにより、それに関わるセリフか何かを見逃してしまったのだろうか?

 少し手厳しい評価だが、もともとスリランカの映画はどんな感じが観てみたいという興味本位で見た映画だったので、観られただけでも満足だった。