オールドデリーの映画ロケ地

 近年、デリーは映画のロケ地として人気である。その中でも、下町であるオールドデリーには昔ながらのハヴェーリー(邸宅)が残っており、少し前の時代設定だったり、いかにもデリーらしい風情を出したかったりしたときには、ロケ地として最適な場所だ。2021年12月11日付けデリー・タイムスに、オールドデリーでロケ地となったハヴェーリーのリストが掲載されていた。

 最近、よくロケ地として使われているのが、Mohsin Houseというハヴェーリーのようである。ここでは、プリヤンカー・チョープラーとファルハーン・アクタル主演の「The Sky Is Pink」(2010年)、間もなく公開のカールティク・アーリヤン主演「Shehzada」(2023年)やヴィシャール・バールドワージ監督の「Khufiya」などのロケが行われた。屋上からはジャーマー・マスジドがよく見える立地のようである。

Mohsin House
from Delhi Times (11Dec2021)

 ただ、Mohsin Houseは個人宅であるため、Google Mapで探そうとしても出て来ない。ロケが行われている間、この家の住人は別のところに移って生活をするらしい。

 他にもオールドデリーには、映画メーカーたちから人気となっている邸宅がいくつかあるが、やはり個人宅のようで、Google Mapなどで検索をしてもヒットしない。

 Rajiv Houseでは、イムラーン・ハーシュミー主演「Jannat」(2008年)、カンガナー・ラーナーウト主演「Queen」(2014年)、アーミル・カーン主演「PK」(2014年)などが撮影された。

 Kenamal Ki Haveliでは、ネーハー・ドゥーピヤー主演「Julie」(2004年)や、アビシェーク・バッチャンとソーナム・カプール主演「Delhi-6」(2009年)などが撮影された。

 他にもChiku Ki Haveli、Tipu House、Lachu Ram Ki Haveliなどの名前が掲載されていたが、具体的にどの映画が撮影されたのかは不明であるし、Google Map上で見つけることもできなかった。

 唯一、リシ・カプール主演「Rajma Chawal」(2018年)が撮影されたというMasjid Khajoorだけは、おそらくGoogle Map上でMasjid Khajoor Waliと表示されている以下のモスクだと特定できる。

 オールドデリーでハヴェーリー以外にロケ地として人気の場所といえば、ジャーマー・マスジド、ラール・キラー、チャーンドニー・チョークなどであるが、これらは観光地とも重なっているため、訪問は容易である。それらを見尽くしたら、オールドデリーの狭い路地を彷徨い、上記のハヴェーリーを探してみるのもまた一興かもしれない。