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2022年3月2日からYouTubeで配信開始された短編映画「Jhansa(欺瞞)」は、長編映画を作る資金集めのための「試作品」として作られた10分ほどのスリラー映画である。ヒンディー語とタミル語のバイリンガルとのことだが、タミル語で撮影され、後からヒンディー語の台詞が追加されたように見えた。
監督はアルン・プラシャーント。全く無名の人物である。キャストもアルジュン、ヴァイシャーク、ラヴィ、カウシク、サウラヴ、アーカンクシャーとクレジットがされているが、どこの誰だか全く分からない。
四人組の若者たちが一人の女性を誘拐し、倉庫に幽閉した。ところが外から奇妙な物音がしたため、四人組は倉庫の外を調べる。ふと気付くと女性が逃げ出していた。四人組が振り返ると見知らぬ一人のおじさんが立っていた。四人組は逃げ出すが、そのおじさんも奇声を発して逃げ出す。彼は少女の幽霊を見たのであった。
試作品として作られた映画が他の完成品と並んで公開されているのは、短編映画として完成していたと判断されたからであろう。尺が短いため、映画の中で細かいことは説明されていない。なぜ四人組の若者たちが女性を誘拐したのか、その女性は誰なのか、そして倉庫にいたおじさんは何者かなど、一切説明されない。そして最後に少女の幽霊が登場し、オチになっている。
もしかしたら長編映画になるともっと面白くなるのかもしれないが、少なくともこの10分間の作品を見た限りでは、これ以上面白くなりそうな伸びしろが感じられない。短編映画ということでギリギリ作品として成立しているだけである。無理して観る価値のある映画ではない。